大アルカナの解説

【タロット】大アルカナⅢ女帝の意味

タロット大アルカナⅢ女帝のカード

一人の女性が穏やかな表情で座っている。彼女のお腹は大きく、周りには木々や色とりどりの花が咲き乱れている。

古来から豊穣、多産性を表す神は女神で描かれることが多くあった。
豊穣の女神デーメテールは娘のペルセポネーを溺愛していたが、デーメテールの知らない間に、ペルセポネーが冥界の王ハデスの嫁にされてしまった。

それに気づいたデーメテールは、嘆き悲しみ、その影響で大地の作物は全て枯れてしまう。彼女はゼウスに娘を取り返すようにお願いし、ゼウスは「冥界の食べ物を何も口にしていないのであれば戻してもいい」と返事をする。

しかし、ペルセポネーは既に冥界のざくろを食べてしまっていた。ペルセポネーは冥界で一年の半分を夫と過ごし、残り半分を天界の母と暮らすことを条件に許される。
デーメテールは娘が冥界から戻る時のみ、大地に実りを与えるようになり、この時期が春と呼ばれるようになった。

この神話から読み取れるように、母親の力は時にどの存在よりも偉大で、強いものだ。

女帝はこの地の支配者であり、心の母であり、すべての生き物の源泉である。彼女は人類の心の母としてすべての人間に潜在的に存在する。
女帝には3という数字が割り当てられており、東洋思想では「天(惑星、宇宙)の気」と「地(大地)の気」が交わり、「人の気」を育むと考えられている。

また、ピラミッドなどに見られるように、かつて神とのつながりを見出すものは三角形でかたどられることが多かった。女帝も女教皇と同様、神との道をつなぐ人物である。

しかし、女帝の力はあくまで受動的である。彼女は自身の感情や感覚にもとづいてあらゆるものに慈悲と慈愛を与え、人類が幸福になるよう全身全霊をかけて献身する。

その力は人々を鼓舞させ、人類が国造りをするうえで大きな力となった。時にはその力が強すぎて、破滅、崩壊へと導くこともある。

女帝は研ぎ澄まされた直感で物事を判断する。
彼女はどのような人物に対しても、人が本来持つ仏の心を探り出す。道をはずした旅人に対しても、その人が辿ってきた経緯を理解、同情し、物事の真実を見出す。

旅人は女帝を通して、どのような人物も自分が望む環境を完全には作れないと悟る。
神がつくりだしたこの世の中で、それぞれの力が協力しあい、ぶつかり合っていることを知るからである。
しかし、砂漠にまかれた種子から花が咲くように、厳しい環境の中でも自身の中に気づきを得て、心を成長させていけば道が開けると彼女は教えてくれる。

女帝の負の側面は、強すぎる感情や同情心によって起きる。彼女は自身と他者の境界線を見失い、すべてあなたのためだとささやき、相手が断れない環境をつくる。

男性が見る女性像には、母親が投影されている事が多い。その力が強すぎると、男性は大人になってもその支配から逃れられない。
その強大な力は男性の成長を妨げ、思考をゆがめ、女性に「こうあるべきだ」と間違った価値観を強制させる。

【タロット】大アルカナⅢ女帝の正位置の意味

豊穣、多産性、安らぎ、慈愛、母性。女性的な感覚、感。自身にとって実りのある時期、またはその到来。家族への献身、愛、包容力。

【タロット】大アルカナⅢ女帝の逆位置の意味

家庭内のトラブル、嫉妬、感情の暴走、マザーコンプレックス。高いプライド。エスカレートした感情が招く悪い結果。


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