大アルカナの解説

【タロット】大アルカナⅤ法王(教皇)の意味

タロット大アルカナⅤ法王(教皇)のカード

三重の十字架の付いた笏をもつ一人の男性。その前には、帽子をかぶった二人の男性がいる。
この二人は聖職者であり、笏を持った人物は宗教上の最高指導者、法王(教皇)だ。

タロットの絵柄は時代と共に描きかえられてきたが、法王のカードも例外ではない。
1725~18XX年代頃にタロットパックから教皇、女教皇、女帝、皇帝が姿を消し、代わりにギリシャ神話の神様、ユノとその妻のユピテルが、皇帝と女帝にはおじさんとおばあさんが代わりに描かれた。

絵柄が差し替えられた理由は教皇側がカードに描かれる事を拒んだ為と言われているが、真相は明らかではない。また、それらがどのような理由で元に戻ったかも不明である。

法王が持つ笏は、彼の教会での権威の象徴だ。法王は二本の柱の前に立ち、右手で聖職のサインを表している。

法王に割り当てられた5は神聖な五芒星を表す。五芒星は宇宙こん然一体化、すなわち宇宙と一体となってとけあう事を意味する。
また、数字の5は「地、火、水、風、空」と万物の元素を表す。中国では「木、火、土、金、水」を万物の元素とし、五行説を説いた。

法王は女教皇と対応する人物である。ウェイトは法王と女教皇の関係について著書で以下のように述べている。

彼は一般に「教皇」と呼ばれてきたが、それはこのカードの象徴の皮相な見方に過ぎない。

彼は永遠なる宗教の支配者であり、「女司祭長」は内向的な力を持つ秘教の守り神なのである

タロット公式テキストブック より

法王は女教皇よりも能動的な人物で、すべての宗教を支える存在だ。彼はどのような宗教にもみられる共通のルールを理解し、それらを社会の基盤に組み込む。
人々の格差をなくし、どのような人物でも幸せを感じられるような仕組みを作り上げる。

法王は女教皇と同じく、外的世界と内的世界を結び付ける人物だ。彼は神の教えに忠実で、この世の真理を理解している。頭の良い人だけではなく、教育を受けさせてもらえなかった人、無邪気な子供達にもわかりやすく教えを伝える事ができる。

中央に位の高い人物を置き、その人物を2人で囲う姿は古くから多くの仏像、絵画で見られた。不動明王のそばには2人の童子が描かれ、彼の耳となり目となり実務をこなす。

法王の教えは時代がどのように進もうと変わることのない真理である。しかし、時代と共に、あるいは彼の弟子の存在によって神の教えや存在、宗教の在り方は変化していった。

タロットカードに描かれる法王の負の側面は、視野が狭い事によって起こる。
法王は目的に向かって、正しい行いと教えに沿って生きていく。自分が模範となる人物であると疑わず、周りに自分と同じような生き方を強要する。

彼は慈悲深い心をもっていながらも、普通の人間がもっている温かみや思考、共感性がない。

怠慢な人間を嫌い、その人物の背景にあるものを理解しようとしない。

【タロット】大アルカナⅤ法王(教皇)の正位置の意味

教え、慈悲、相談。知恵や真実を与えてくれる人物。宗教性、顕示、忠告。霊感的救済。同盟。指導者。恵み。相談者にとって頼りになる存在。

【タロット】大アルカナⅤ法王(教皇)の逆位置の意味

誤解、誤報。中傷。視野が狭い。冷たさ。真実の湾曲、支配的。自身の立場と権力の悪用。


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